依存症は本人だけでなく家族も巻き込んで苦しめる病気です。そのため、家族にもケアが必要です。家族が一人で辛い気持ちを抱え込まないために、家族会があります。  

 また、家族会に参加して家族や友人が依存症のことを理解することで、本人との関わり方にも少し変化が起こってきます。それが、本人を依存症の問題に向き合わせる機会になるかもしれません。

AKK(アデクションを考える会)三軒茶屋相談例会

日時:毎月第二火曜日 19:00~20:30
場所:STORY 2F(世田谷区桜新町1-8-6)
内容:・依存症の理解
   ・依存症本人への対応の仕方
   ・ミーティング(分かち合い、情報交換など)

コロナ禍であっても休みなく本人の依存症は続きます。

 それと共に家族の苦しみも続きます。

 外出自粛の中、自助グループ(家族会含む)への参加を躊躇してしまう現状もありますが、各保健センターの家族会も再開していますので、できる範囲で利用していきましょう。

 当、AKKはいつも通り、毎月第二火曜日の19:00〜20:30で開いていますので、ご活用下さい。

 そして、一緒に考えていきましょう。

今回より依存症についてシリーズで発信していきます。

依存症にいて(No1)

 依存症の方に対して、家族や周りの方から叱咤激励や批判の声が多いのですが、まず、病気だという事を認識する必要があると思います。国際的にも認められている病気です。

依存症について(No2)

 前回では依存症は国際的にも認められている病気であるとお伝えしました。アルコール、薬物、買い物、ギャンブル、処方箋、インターネット、スマホ、過食拒食、暴力暴言、ひきこもり、自傷行為、仕事 ・・・ など。

 家族の方は、ご本人のアディクションに対しての特効薬と対処法、つまり、マニュアルがあればと、思っている事でしょう。残念ながら、ご本人への特効薬はありません。家族の方の接し方マニュアルは少しありますが、マニュアル通りの会話や行動が出来るようになるには時間がかかります。

 ご本人に対して、家族ひとりひとりが何に困っているのか伝えられているでしょうか?また、飲んでいる!、飲んじゃダメ!、何やってるの!、そんな事じゃ子供にどう説明するの!、ちゃんとして!、嘘つき!・・・・の様な言い方では伝わりません。ご本人を責めている事になり、「うるさいな」「分かっているよ」・・・が返ってきます。

 家族は、ご本人を責めたり、やり込めるのが目的ではないはずです。健康で社会の一員として継続してもらいたいと願っているはずです。

 次回は伝え方についてです。

依存症について(NO3)

 今回は依存症の方への伝え方です。

 依存症は病気である・・・と家族の方は理解できましたでしょうか。しかしながら、頭の中で分かった!と理解したつもりでも家族の言動は以前のままの場合が多くあります。依存症の方のアデイクションや会話の時など、いくら病気といえど家族にとっては受け入れがたいものです。

 そうなると、家族は責めたり、正そうとしたりします。当然の事と思ってしまいますよね。私(家族)の方が正しいのですから・・・の理論になります。正論に対してはその通りです、と返すしかありません。

 正論を伝える事が、家族の役目ではないのです。依存症の方に何も言わせ
なかったり、やり込める事が目的ではないからです。私(家族)が困っている事を伝えましょう。

 I(アイ)メッセージをご存じでしょうか?

 主語を私(Iアイ)は・・・にする会話です。相手(YOU)の事ではなく
自分の事を伝えます。私は○○で困っている、落ち込んでいる、不安だ、心配だ、怖い、恥ずかしい、出来ません、などを伝える事が大事です。気になる事柄を一つ一つ挙げて、その中でプライオリティ(優先順位)をつけ、一つの事を明瞭簡単にし、ネチネチ話さないのが良いと思います。

 しかし、アイメッセージは簡単には身につきません。家族の方の話を聞いていると、「アイメッセージで伝えています」と返答がありますが、ほとんどがYOUメッセージになっています。伝えた内容に主語の私は・・・を付けてみて下さい。アデイクションを起こしている人に、アイメッセージで何とかなるのですか?改善しますか?と思うかもしれませんが、責めたり、正そうとしたりするよりは伝わると思います。

 しかしながら、一週間や一ヶ月で回復する病気ではありません。アイメッセージは家族の本音でなければなりません。これを伝えれば良くなるから伝えるのではなく、本当に私(家族)は困っているから伝えるのです。アイメッセージを練習するのも良いですし、ノートに書いてみるのも私(家族)にとってプラスになると思います。

 次回は伝え方第2段です。 


会話第2段

今回は会話第2段です。一般社会でも会話は大切ですが思うように伝わらく、誤解だったり、言葉が足りなかったり、多すぎたりと、大変です。

これが依存症の方と話すときはもっと大変です。なぜなら、話す内容通りに伝わらない場合があるのです。つまり、言葉より家族の態度や行動、感情、違和感など、非言語メッセージに反応してしまうのです。

逆の立場から言えば依存症の方の話を、そのまま受け取って良いものかと思う事も多々あります。その場合は、話された内容をそのまま受け取り、「違うでしょ!」とは言わないようにします。

家族は違うと思った気持ちをI(アイ)メッセージで伝えるようにしましょう。

社会には、約束事、決まり事、時間厳守など、沢山あります。本人の言葉と行動が違う場合、結果を処理しなければならないのは当然ですが「自分の事は自分でやりましょう」も伴いますから、本人に責任を返す事も忘れずに家族が身に付けると良いと思います。

本人のご機嫌を損なわないようにとか、私が処理した方が良いとつい家族が行ってしまうことがあります。このような場合に、家族は一緒に暮らして行くと思えばこそ自分の行動の始末は自分で出来る人と同居したいですよね。

家族は本人と話すとき、下心を持ったり、病気を治そうとしたり、ためになる話はしない方が良いと思います。治そうとするのは、家族が治せると思っているからとも言えます。本人は、自分の事を説教している、責めている、正そうとしている・・・・と反応してしまいます。

次回は依存症の方と共にです。